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セックスしたい

彼女はヤドカリ少女なんて言われていた。早い話、家がなかったのだ。そして、名前が花梨(かりん)だったので、そのまんまヤドカリンと呼ばれていた。
大学の方には実家通いと言うことになっていたようだが、実際はほぼ家に帰ってはいなかった。実家と仲が悪いとか言うことではなく、単純に交通の便が悪いから、と言う理由だ。
泊まるアテは常にあったらしい。それも一つではなくてローテーションでいくつも泊まり歩いていた。その中の一つが僕のアパートだ。
当時の僕は大学の近くにアパートを借りて通っていたが、気づくと同じゼミになったヤドカリンの宿泊場所の一つになっていた。ゼミで顔合わせをして三日後には泊まりに来ていたので、どんだけ図々しくて人懐っこいんだ、とあきれたり感心したりだった。
あと、ヤドカリンは性に対しても奔放だった。「セックスしたいんで」と簡単に抱かせてくれた。家に泊まり始めて三回目には、もう僕はヤドカリンとセックスしていたくらいだ。付け加えれば、それが僕の初体験だったりする。
処女を捨てたい
ちなみにヤドカリンは美人ではなかった。ウルトラマンにヤドカリンと言う同名の怪獣がいて画像検索してみたら、彼女そっくりだったので笑ってしまったくらいだ。きっと、最初に彼女を「ヤドカリン」と言い出したヤツは怪獣ヤドカリンを知っていたのだろう。
美人だったら、カノジョなりセフレなりの関係を考えただろうが、それ以上のことはなかった。夜にふらっとやってきて、宿泊料変わりにセックスをしてグーグー寝て、朝になったら大学に行くだけだ。そんな関係は卒業まで続いた。
あれから5年、卒業と同時に縁も切れて、今はヤドカリンが何をしているのか全く知らない。でも、きっと大学時代と同じように会社の同僚の家を泊まり歩いているような気がする。もし、彼女の「セックスしたいんで」が本音だったら、怪獣ヤドカリンなルックスなのだから強引に男の家に押しかけないとセックスもしてもらえないのだろうな、とも思ったりする。
ただ、今の僕は究極の女日照りだ。周りにはヤドカリンのようなエロい女は誰もいない。今でも夜になると、ふらっと「セックスしたいんで」とヤドカリンが泊まりに来る夢を見たりしている。
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